「生きがいスケール」を使ってみよう
寝たきりの意識がないただ呼吸している段階から、徐々に回復し生きがいを持つまでの段階を6段階に分け、生きがいスケールという物差しをつくりました。
心やからだの働き、その全体としてどういう風に活動するか、働くかということを6つの段階に分けてみました。それを生きがいスケールと名付けました。あなたは6段階のうち、どの段階に位置しておられますか。
<生きがいスケール>
段階1 目に見える身体の動きがない生命体としての段階
(食べて排泄するだけであるが、しっかり呼吸し生きている生命としての段階)
段階2 身体の動き、意志の働きが見える段階
(自ら身体を心地よい方向へ向かって動かす、本能主体の段階)
段階3 感動体験・感激経験できる段階
(感動し、感激することをひたすら求める段階)
段階4 自己の再発見再確認段階:有能感・達成感再獲得段階
(自分の行った実績、事実をみて、そこまでできる自分を見直すことができる)
段階5 新しい価値観での自分の発見段階
(さらに自分にできうること、新たなる感動を求めて動くことができる段階)
段階6 生きがいの構築段階
(些細なことにも感動でき、生きていてよかったと じわっと感じる段階)
以上のスケールをもっと具体的にイメージしやすくするために、ちょっとやっかいな感じで下図としてお示ししました。寝たきりで意識なく、ただ呼吸のみの存在から、徐々に回復し、最終的には生きがいを持って全人間的復権を果たす、リハビリテーションの中味を段階漬け(生きがいスケール)したものです
こういうお話を紹介します。
何もしたくなかったけどとりあえず移動して 餃子をつくっている場所まで行ってみる。 「餃子つくってみませんか」と声がかかる。その気がなかったが、特別何をするつもりもなかったけど、「ちょっとやってみよう」と腰掛けた。(身体が動く)
片手でも案外簡単にできた。なんだか楽しくなってきた。(心が動く)
もう一個つくってみよう、またさらに一個。気付いたら十個もつくっていた。(身体が開く)
料理って楽しいですね。「また、今度他のものをつくるとき声かけしてください」と口走っていた。(心が開く)
こうした発展的段階を仕掛けるのがデイサービスのリハビリテーション的発想です。元気になって頂くための仕掛けなのです。