あんたは スターだ
毎朝、プログラムボードの前はお祭り騒ぎです。ご自分のプログラムカードを張ろうという人たちが交錯します。リハビリテーションという発想でいえばこれが実にすばらしい場面なのです。
動線が交錯する環境をリハビリ場面でつくろうということ自体、病院や施設ではちょっとした設定を意識的に行わないとできません。ところが夢のみずうみ村では、毎日朝午前九時半から十時過ぎまで、それはそれは大混雑です。そこを取り仕切るのが何あろうスターなのです。スターには、いろいろあるでしょうが、夢のみずうみ村にはオバスターが活躍しています。「オバスター」と呼んで分かるのは夢のみずうみ村の職員だけです。おばさんのスター役をこう呼ぶのです。
スター役というのは、プログラム(利用者の方ご本人にとっては一日をどう流すかを決めて頂くこと)を、いかにの流すか、それを援助する役です。すなわち流す役、流れる。流れるは、流れ星、スター、スター役と勝手に連想し名付けました。
すると施設長が「それじゃあ、私はさしずめ、オバスターね」と呟いたのです。自分をおばさんと自覚し、おばさんがスター役をやっているからオバスターという案配だと職員一同直感しました。アネスター、アニスター、オジスターと多くのスターが登場した瞬間でした。
職員がプログラムの流れを把握するにはスター役を経験することが一番です。誰でもスター役ができるようになることが望ましい姿であろう。