夢のみずうみ村物語 その26 タンス街道 膝栗毛

タンス街道 膝栗毛

リハビリテーション歩行の最終目的は実用歩行です。実用歩行の第一歩は家庭内の移動獲得です。壁に「もたれかかり移動」ものに「寄りすがり移動」何でも有りです。

写真は、夢のみずうみ村山口デイサービスセンターのタンス街道です。

利用者の方々の個人荷物入れ(タンス)をもたれかかったり、タッチしたりして移動する道(街道)が作ってあるのです。街道を、今日は○○周したよと、東海道膝栗毛よろしくひたすら歩くことを日課としてなさる方があります。だいたい二十周ぐらいがよく耳にする街道周回数です。

手でタンスを押さえる押すこと、肘をもたげることがあっても、決して握らない。これがコツです。

家庭でも、こうしたタンスの角を持ったりさわったりしながら移動なさるわけです。

病院や施設の広い大きな環境ではこうしたタッチ移動などできないようになっています。ですから、手すりが必要であり、その手すりにすがって移動することを学習させられます。それがまずいと考えています。

そうしないためには夢のみずうみ村のように雑然とした狭い環境のリハビリ室や病棟食堂あたりが用意される必要が生まれます。こうした視点はこれまで無かったので結構やってみた結果として分かったことです。こうした方法で急性期リハビリから実施することを関係者に問題提起したいと考えています。

施設や病院でしか行えない訓練は自宅復帰を遅らせると思います。自宅でできる方法をご指導するということが肝心です。村で行っている方法は写真でご紹介しますと

トリムコースの「階段横移動の稽古」「雲の上歩行」があります。

雲上歩行とはよくぞ名付けたと自画自賛したいところです。ベッドの上を歩くのです。

「畳しかないぞ 我が家は!」とおっしゃる方には座布団を引き詰めて歩いても結構でしょう。案外、畳(床)からマットの上に立って乗っかかることがまず難しいのです。それから、一歩ずつ前に行くことの難しさ。バランス訓練を家でやろうと思えば、ベッドの周りで転倒しても大丈夫なようにする工夫は必要でしょう。

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