日別アーカイブ: 2011年11月15日

第10回夢のみずうみ村旅行

 浦安に夢のみずうみ村ができたことを記念して、今回の夢のみずうみ村利用者さんの旅行は、東京・浦安となった。3泊4日を基本に、第1回 オーストラリアを皮切りに 第2回北海道道南(札幌・小樽・富良野)、第3回 沖縄、 第4回 黒部・飛騨高山、 第5回 韓国冬のソナタを訪ねて 、第6回 湯布院(この回のみ1泊2日)、 第7回 東京神奈川 、第8回 秋田青森、 第9回 北海道道東(知床・釧路・納沙布)。そして、今回、10回目。  前夜、浦安から山口に戻り、仕事を処理して、帰宅午前1時。朝5時起床。厳しい。送迎車を運転し、萩市内の利用者さん4名(1組はご夫婦)のご自宅にお迎え、山口宇部空港へ。すでに他の皆さんは到着。今回は全日空宇部のご配慮を頂き、乗り込みはスムース。(以前,JALを60分近く遅らせた実績を持つ)  羽田に到着したら、ボランティア(東京福祉専門学校・帝京大学作業療法学科)の学生達が待ち受けて、バスにいっしょに乗り込む。車体に夢のみずうみ村と横書きしたマイクロバスが、職員の宮本君の運転で、あの羽田空港脇の駐車場に横付けされている。その風景を想像しましょう。山口県のあの夢のマイクロバスが羽田空港ですぞ。横付けですよ。感無量でした。  最初は明治神宮。砂利道があること、身障者トイレがどこにあるかなど難題。先発隊として、浦安デイサービスに、山口デイから1年間出向している井上君とボランティア2名に、明治神宮に先乗りしてもらう。駐車場確保、トイレ情報収集をしてもらい難なく砂利道も走破。山口から用意していった車椅子10台、現地のボランティア11名の存在が大きい。  NHKのスタジオパークへ。いろいろな仕掛けを、自由に見て回る。朝の連続ドラマ「カーネーション」や、大河ドラマ「お江さま」などの模様、出演者の衣装などたくさんお番組の内情がわかり楽しい。吹き替えができたり、タッチパネルを触って、クイズに答えたり、近代設備満載に驚くことしきり。しかし、場内を歩き回ってみる。実に歩くこと歩くこと。日頃の夢のみずうみ村の中での歩行訓練がどれだけ生きていたかがよく自覚できる日程でした。  ホテルは、浅草ビューホテル。いつものように、すぐにトイレ・バスタブのチェック。片麻痺の方が、どこまで車椅子で近づけるか、浴槽をまたいで入り、浴槽内で立ち上がって出てくることが可能か。おおむね、どこのホテルであっても部屋に備え付けの椅子にバスタオルをのせれば、おおむね浴槽の縁に腰掛る場が確保でき、それで浴槽をまたいで出入りする寸法だ。ここでもなんとかなりそうだ。ホテルの部屋からの眺めが抜群だとの参加者の声。2泊しました。  二日目は、二重橋。いちばん近い駐車場からでも200メートルくらい移動する。長い横断歩道に、一同勢揃いして、車いすを押したり、杖をついて歩いて渡ったり。二重橋前で記念撮影。垂れ幕を出して移そうとしたら、お巡りさんから注意を受け垂れ幕はしまって撮影。ほっとする。  二重橋の移動に時間を取られたが、明治座で「大奥」の舞台を見る予定時間にぎりぎり滑り込む。利用者さんのほぼ半分ちょっとの方を席に誘導したかどうかという時間に、始まりのブザー。暗闇で一部にお方を席に誘導。最後の方が席に着く際は真っ暗闇に懐中電灯を照らして着席していただいた。芝居は、テレビで見ていた「大奥」の舞台版。NHK大河ドラマの「お江さま」でも春日局が登場するが、まさしく、そのお局様のお話。昼食は弁当を配って客席で食べる。じっと見ているわけにはいかない付添職員。芝居がどうも合わないで中途退室される方、トイレ誘導、その他エトセトラの利用者さんの要望をなんとかかなえるべく職員大奮闘。 さてさてお次は、六本木ヒルズに移動し、各自グループに分かれてお店巡りの食事。ボランティアの学生と利用者さんがそれぞれ好きなところに移動。私は、みなさんがどこで食べておららえるか巡回。ところが、集合場所にどう戻ればいいか行方不明。あわてた。集合時間になんとか失態をせず、間に合って何食わぬ顔。そこは責任者。しかし、実情は情けない限りでした。それだけ六本木ヒルズは田舎者にはでかい。(都会人にも、でかいか?)  3日目は、お目当ての、夢のみずうみ村浦安デイサービスセンター見学でした。浦安のいつもの利用者さんと、山口県のデイサービスの利用者さん総勢65名ぐらいが、浦安のデイサービスセンター内をうろうろされました。ここにも、「夢のみずうみ村があるのだねえ」の声。いつも、通っておられる山口とは一瞬違って見えても、そこは夢のみずうみ村の、雰囲気、におい、プログラムが目白押しにあることに納得された模様。利用さん同志が意見交換されている場面にも遭遇しほほえましく感じました。浦安にも夢のみずうみ村を作ってよかったと実感しました。 さて、昼からはディズニーシーです。学生ボランティアさんが車椅子を押しながら、それぞれが自由に動き回りました。万が一のことががないか、私は場内を歩き回りますが、なんせ、自分がどこを動いているのかわからない。私の足も棒になるが、利用者さんたに移動の疲れがないかなと心配。すさまじい運動距離の旅行です。車いすを10台山口から持ち込みましたが、会場でも3台を追加。大勢の学生ボランティア(東京福祉専門学校中心)さんがあったので、満喫できたと思っています。明日は雨の天気予報。晴れ男を自称してきたから安心していましたが、さすがに予報は明日から2日間、雨模様。売店に、ミッキー、ミニーのポンチョが2500円で売っている。職員には、明日は、晴れるよ私が晴れ男だからと前夜のミィーティングで豪語していたが、そこは責任者。万が一を考え万全の対策をとることにした。30個も買い揃えたの店員がびっくり。 最終日。朝6時、インターネットで天気予報を見る。関東地方雨。あちこちパソコンを操作していたら、「浦安」気予報」とでてきた。地域限定の予報があることは知らなかった。開けてみた。「午前9時から12時、曇りマーク」。なんということだ。9時まで雨。12時から雨。その間曇り。万歳。晴れ男極まれりで自室で万歳をした。ディズニーランドに行く。曇りだ。少し雨っぽい時間帯もあったが、何とか最後まで持ったのだ。すごい。 ここでも、大勢の学生ボランティア(帝京大学中心)が参加していただき、勝手に個人個人が動き回ることができました。障がい者の方が優先的に入れるカードをもらっていたので、シンデレラ館に、たくさんの人が並んでいるところを、我々は優先的に中へ入ることができた。シンデレラ姫の生い立ちが紹介してあり、私も見るが、あまり感動がない。何とかスムースに会場をみなさんが流れて行くことばかりを気にする。「いい年をして、シンデレラもないもんだ」という感覚は、ディズニーランドを楽しむことができない私の性分に由来するものだと自覚。ただただ、利用者さんに旅を楽しんでいただき無事に終わればいいという思いがどうしても常に付きまとう。職業病だ。  さて、いよいよ羽田空港に向かうが、「お台場」見物をしてからの予定であった。時間が中途半端になり、バスの運転手さん、ガイドさんに相談。「東京見物の最近の人気観光コースに羽田国際空港があります」とガイドさんから紹介あり。この日、私は、16時半過ぎ、韓国に出張する強行軍。利用者さんは16時40分発。神様は、私の無理な日程も、難なく素敵な利用者さんの観光メニューに変えてくれたと思えた。国際空港3階の店で抹茶アイスを食べながら、多くの見学者の賑わいに触れていただいた。  国際空港前で、私はみなさんを送った。その瞬間、私の今回の利用者さんとの旅行は終了した。バスのテールランプを見送りながら、なぜか涙が出てくるのだ。今もってその意味が分からない。なぜ泣いたのだろう。さみしかったことは間違いない。自分一人が置き去りになった感がしたのと、自分は、頼まれて韓国に講演会にいくが、本末転倒ではないか。自分は、利用者さんお側に立つならば、なぜもっと密着しないのか、そんなことでは、今後の事業展開も…?!。短い時間だが、複雑な思いに駆られた。私はどうしても現場の人間であり続けたい。しかし、そうも言えない経営者の前途もある。さてさてと、思いをはせながら、韓国に向かった。  利用者さん御一行は羽田空港へ。空港では、飛行機に乗り込む際のトラブルが予測通りあったとの報告。いまさらながら、私が、航空会社にガミガミ小言を申し上げる必要性があるなあと実感。常に、旅行社や空港各社に申し上げることは、「我々は、通常の障がい者、子どもの優先登場開始時間よりさらに10~15分程度は早めに、誘導開始させてください。さもなければ、時間がかかって、一般客にご迷惑になります。それは本意ではありませんから」という申し出る。しかし、それが却下されると、案の定、出発が遅れる。かつて、JALを1時間近く遅らせてしまった教訓からそう申し上げるのだが、航空会社の直接の窓口の方は、マニュアル通りにしか反応なさらない。今回も全く同様であったらしい。スタッフが申し出ても無理だったとのこと。  いつもながら、思う。夢のみずうみ村の旅行は、障がい者が旅をするノウハウを、社会に知らしむる旅であると。社会を動かすために、我々は、大人数でぞろぞろ旅をしたい。他の障がい者の団体旅行がスムースに流れるとともに、旅行各社が障害の理解をより深めてもらうために旅を続けたい。 夢のみずうみ村の旅の 原則1:一番遅い人に合わせる 原則2:トイレ休憩を1時間おきにとる。  

カテゴリー: その他 |