青森旅行 ~恐山参り~

 今年の子ども夢ハウス旅行。青森県に23日の旅行に行ってきました。子どもたちがずっと楽しみにしていました。

目指す場所は日本3大霊山の一つ「恐山」

恐山に行くことに周りからさまざまな意見がありました。「子どもが行くところではない」「なにかあったらどうするんだ」

でも恐山に行くことは子どもたちが望んだことです。大切な家族を突然亡くした子どもたち。「昨日までは一緒にお風呂に入っていたのに」お別れも言えないまま、当たり前に生活を共にしていたのに急にいなくなることを子どもたちはずっと受けいれることができませんでした。

だから「会いたい」「話したい」

3年間胸にしまってきた思いをみんなで共有する。みんなでその場所を目指していろいろ準備してきました。参加者は子ども8人。保護者も含め大人は9人。全員で17名。

青森まで片道6時間のドライブをして、まずはイルカショーが見られる浅虫水族館に行きました。

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4匹のイルカが飛び跳ね、そのかわいさに子どもたちと大興奮!その他にも子どもたちは色んな写真を歩き回りながら撮影していました。

その日は恐山近くの宿に1泊し、翌朝恐山に到着しました。

入山する前に子どもたちと約束したこと。

「大きな声をださないこと」「走らないこと」「人の悪口を言わない」

決して観光気分で行くところではありません。霊場の約束事は絶対に守ります。

はじめに出迎えてくださったのは、奪衣(だつえ)婆さんと懸衣扇(けんねおう)

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奪衣婆さんは三途の川の渡し銭である六文銭を持たずにやってきた亡者の衣服を剥ぎ取る老婆の鬼。そして懸衣扇は奪衣婆が亡者から剥ぎ取った衣類を衣領樹(えりょうじゅ)の枝にかけ、その枝の垂れ具合で亡者の生前の重さを計り、天国にいけるか、地獄行きか決まります。そのすぐ隣に三途の川の橋があります。

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橋を渡ると湖が見えます。普通に見る湖と景色が違います。水が澄んでいてそれが異様な静寂を醸し出しています。ほとんど生物が生息せず、静かな死後の世界を物語っているように見えました。子どもたちも初めて見る光景にみんな無口になりました。

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また恐山は火山でもあるので、立ちこめる硫黄臭に、これからどんな世界が広がるのかおどろおどろしさを感じます。いよいよ境内に入ります。

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はじめに「無限地獄」があります。8つある地獄の中で一番恐ろしい地獄です。残りの7つの地獄の苦しみを合計したものの千倍の苦しみを味わうといわれています。

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みんなで拝んだ後、亡き人の名前を石に書き、想いをこめて石を積み上げました。死者を思い賽の河原に石を積み、風車を置くのが恐山での古くからの光景です。

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みんなの気持ちを一つに天国にいる人に「想いよ届け」と祈りました。

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ここは血の池地獄。透明な澄んだ池に見えますが、悪いことをした人には真っ赤な血の色に見えるそうです。子どもたちは赤く見えなくてほっとしていました笑

東日本大震災の「震災慰霊塔」です。

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夢ハウスの子どもたちも今だ家族が見つからず、悲しみを抱えたままの子もいます。みんなで手を合わせ、鎮魂の鐘と希望の鐘を鳴らしました。

この鐘の音はみんなの想いです。「おじいちゃん、会いにきたよ」「おばあちゃん、ありがとう」みんな静かに祈りました。

最後に極楽浜と呼ばれる「宇曽利湖」

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ここに来ると景色が一変します。まるで南国の海岸を思わせるような青い水と白い砂が広がっています。天国にきたようです。

ここだけ大きな声を出していい場所です。おさえてきた想いをみんな一斉に叫びます。「○○~、会いに来たよ~!」「元気で頑張っているよ~」

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持ってきた風車を砂浜に立てて亡き人とお話をしました。私も最近亡くなった弟が湖の上に見えてびっくりしました。笑顔で微笑んでいました。

帰り道、恐山には温泉があります。

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4つの湯小屋があります。せっかくなので子どもたちと入浴しました。疲れのとれるとってもいいお湯でした。

最後に

いつも子どもたちをあたたかく見守ってくださる笹原さん。笹原さんが恐山に連れてきてくれました。子どもたちに「人は亡くなるとどこへいくのか」今までも「命の授業」を子どもたちにしてくださいました。

生きるために大事なことを丁寧に。亡くなっても天国からみんなを見守ってくれているよ。恐山に行って子どもたちはそれぞれに受け止めたでしょう。貴重な経験をありがとうございます。

また、皆様からのご支援のおかげです。深く感謝申し上げます。本当にありがとうございました。