子ども夢ハウスおおつち 移転報告

 子ども夢ハウスおおつちは大槌町辺地ヶ沢地区に引っ越します。

 3年前の4月11日に 安渡地区ではじめた「子ども夢ハウスおおつち」の家は、建築確認されないまま建てられたものあることが半年前に判明いたしました。学童保育所や高齢者施設など、公的制度の事業申請をいたしました段階でそれが持ち主(不動産屋)から判明しました。申請は受け付けてもらえませんでした。ですから、今日まで、無認可事業所として活動を継続して参りました。この運動を可能としたのは、全国各地の皆様方の多大なご支援の賜物です。

現在まで使ってきました安渡地区の家は、当初17万円という高い家賃でした。あの時点では、すぐに活用できる1軒家はここしかありませんでした。ですから、深く考えず、やみくもに手を打ち、開設を急ぎました。その結果、子ども達はもとより、ご近所の仮設の皆様をはじめ、地域の多くの方々達が利用され、素敵な歴史を刻んで参りました。 

この場所を離れがたい気持ちは皆深く、安渡地区の住民の多くから惜しまれる声をたくさん伺っております。子ども達の誕生日ごとに記した柱の傷。かくれんぼした押入れ。広い台所での調理の匂い。穴掘りや、野菜を作った庭。ハンモックで遊んだ樹。こころの原風景となったこの家を去る寂しさをお察し下さいませ。

震災から5年、我が家を立てたり、復興住宅に入ったりして仮設を出ていく家族が少しずつ増えていく中、大槌の広い範囲での事業展開をしていく必要性が増してきました。現在の家賃は13万円。今より3倍も広い新しい家は、公的支援事業が受かられる確認申請のある家であり、家賃は以前より安いのです。この安渡の家は、今の家賃を少し下げていただき、継続利用したい旨を伝えましたが無理でした。

出ていくことは本意ではありませんが、無認可事業を今後も運営していくには限界があります。正式に学童保育事業、フリースクールとして申請し、認可され、未来永劫、この事業を大槌町に継続して展開することを企図して、引っ越しを決断いたしました。

全国からの寄付者の皆様お一人お一人のお名前を壁に張り出してまいりました。その一枚一枚を子ども達と丁寧にはがしました、新しい家の壁にまた張らせていただきます。

3月中に、少しずつ子ども達も手伝い引っ越しします。新しい家は、今より3倍程度大きく、庭や横の畑など、活動の幅が広がります。昨年末に撤去しました「すりきず公園」は、今度の建物の横に再びボランティアの力を借りて作ろうと画策しております。

 経過はまた報告させていただきます。ひとまず、引っ越すことをご報告し、変わらぬご支援を賜りたく、お願い申し上げます。今日も厳しい寒さの中、3.11を迎えます。

              夢のみずうみ村代表  藤原 茂

<新しい住所>

028-1131 岩手県上閉伊郡大槌町大槌第15地割95-68